2010年11月21日(日)
【メディカル】善玉コレステロールを上昇させてくれる新薬・Anacetrapibの安全性と効果

高コレステロール血症の薬としてスタチンが有名ですが、スタチンはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させるのに効果があり、広く使用されています。コレステロールにはこのLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)があり、LDLコレステロールを低下させるだけでなく、HDLコレステロール値を上昇させることが、心臓血管障害の予防のためにはより効果的であることが、これまでの研究で知られていましたが、スタチンのような安全性と効果が確認された薬は開発されていませんでした。
ハーバード大学医学部のChristopher Cannon准教授らが The New England Journal of Medicine 11月17日オンライン版に発表した研究で、メルク社が開発したコレステロール転送タンパク質阻害薬のAnacetrapib(アナセトラピブ)が、HDLコレステロール値を上昇させる効果がありLDLコレステロールを低下させ、安全性も高いことが明らかになりました。准教授らは1623人の冠動脈疾患患者と冠動脈疾患のリスクが高い患者を対象に、このアナセトラピブの治験を実施しました。
その結果、24週間アナセトラピブを投与された患者のHDLコレステロール値が138%も上昇したのに対し、運動と食事療法のみのグループでは10%しか上昇しませんでした。また被験者は既にスタチンも投与されていましたが、LDLコレステロール値もさらに40%低下しました。また76週間投与してプラセボ群と比較して血圧上昇など副作用は見られませんでした。
准教授らは30000人の被験者による国際的な治験の結果が出るので、HDLコレステロール上昇効果の明確な結論は、その結果を待つことになるとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
The New England Journal of Medicine 11月17日オンライン版
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