2010年11月16日(火)
【メディカル】体外受精や顕微授精は子供の脳性麻痺リスクが高い!

デンマーク・オーフス大学のJin Liang Zhu博士らがHuman Reproduction 11月2日オンライン版に発表した研究で、体外受精や顕微授精によって生まれた子供の脳性麻痺リスクが、自然に妊娠して生まれた子供の2倍であることが明らかになりました。博士らは体外受精や顕微授精で生まれた子供が脳性麻痺になることが多いと言われていることから、その事実が果たして統計的に実証されるのか、実際のところ自然に妊娠した場合でも計画してもなかなか妊娠しなかった場合と比較してどうなのか、また本当の原因が体外受精や顕微授精によるものか、それとも体外受精や顕微授精に付随して生じることの多い早産や多胎分娩に起因するものかなどを明らかにする目的で、1997年から2003年の期間に収集されたデンマーク全国出生コホートのデータを分析研究しました。
博士らは出生コホートの9万人以上のデータを妊娠までのプロセスによって以下の、①無計画ですぐ妊娠、②計画して0-2ヶ月、③3-5ヶ月、④6-12ヶ月、⑤12ヶ月以上、⑥体外受精・顕微授精、⑦排卵誘発療法、の7つに分けて比較しました。生まれてくる赤ちゃんの健康に影響を与える可能性がある母親の年齢、出産歴、喫煙状況、学歴、赤ちゃんの性別、早産か否か、多胎児か否かなどの要因を除いてデータを分析した結果、自然妊娠の場合は妊娠までにかかった時間と脳性麻痺リスクに相関性はありませんでした。
しかしながら上記の要因を取り除いた結果、自然妊娠の場合と比較して体外受精・顕微授精で妊娠した結果生まれてきた子供の脳性麻痺リスクは2倍であることがわかりました。博士はこの結果を受けて、体外受精・顕微授精の技術は、2003年以降かなり改善されており、そうした技術的な進歩の結果として脳性麻痺リスクが低下している可能性があるので、体外受精、顕微授精が脳性麻痺リスクにどのように作用しているのかは今後さらに研究する必要があるとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Human Reproduction11月2日オンライン版
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