2010年08月28日(土)
[メディカル]妊娠中に殺虫剤を浴びると子供のADHDリスクが上がる

アメリカカリフォルニア大学バークレー校のBrenda Eskenazi 博士らが行った、カリフォルニア州サリナス母子子ホート健康評価の結果をもとに分析したところ、有機リン系の農薬(有機リン酸エステルなど)に妊娠中に暴露した母親から生まれた子供は、暴露していない子供に比べて、5年後のADHD(Attention Dificit Hyperactivity Disorder:多動性障害)の兆候がより強いことがわかり、8月18日付のオンライン版Environmental Health Perspectives に発表しました。
この調査は、カリフォルニア州サリナス地区に住むメキシコ系アメリカ人の子供、生後42ヶ月の329人と、生後60ヶ月の322人を対象に行ったもので、ジアルキル(有機リン代謝物で、殺虫剤や農薬に暴露されると増える)の尿中レベルが妊娠中に高かった母親の子供は、3.6倍もADHDの兆候が高かったことが示されました。特に男の子が13.2倍、女の子は1.2倍で、男の子が受ける影響が特に大きいことがわかりました。
この結果は、胎児を含めた乳幼児が、ダイアジノンをはじめとする有機リン酸系の殺虫剤や農薬を解毒するPON1(パラオキシターゼ1型)という酵素が少なく、解毒する力が弱いために、神経系に農薬や殺虫剤の毒性の悪影響が及んでしまうことから起こるのではないかと推察しています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Environmental Health Perspectives オンライン版 8月18日付
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