2010年08月03日(火)
[サイエンス]音楽のトレーニングが学習能力の向上に繋がることが神経科学的に明らかに!
音楽のトレーニングがどのように習得され、またその獲得された能力が他の分野にも波及するのか、などのテーマは、最近多くの研究者の関心領域となっており、その研究成果も多数です。
米国・イリノイ州のNorthwestern Universityのコミュニケーション科学・神経生物学・聴覚神経科学研究所Hugh Knowles教授らがNature Reviews Neuroscience 7月20日号に発表した研究で、音楽のトレーニングが語学などの学習能力の向上につながることが明らかになりました。
小さい頃からピアノやバイオリンなどの楽器を習い、音感をつけ、楽譜を見ただけで演奏できるように訓練することが、言語能力・外国語習得能力、会話能力、記憶、注意力、音声の情緒性などにどのように影響しているのか多くの研究がなされてきました。教授らによると、そうした多くの研究を分析した結果、それらは全て脳の神経可塑性によるもので、音楽のトレーニングを積む際に生じる神経結合が、音楽以外の他のコミュニケーション能力も刺激しているからだと結論づけています。
例えば音楽のトレーニングを積んでいる子供は、そうではない子供より話し言葉の音の高低に対し敏感にかつ強く神経組織が反応し、語彙も豊富だということです。さらにそうした能力は雑音、騒音なども含む周囲の様々な音の中から聴くべき話を聞き取る能力の強さにも関係しています。
失読症の学習障害児は様々な音の中から聴くべき音を聞き分ける能力が弱いのですが、その反対に音楽のトレーニングを積んだ子供は、そうした能力が非常に発達しており、そうしたことが他の学習能力にも反映しているということです。教授は音楽トレーニングが脳神経や聴覚能力に与える効果は、運動のトレーニングが身体能力向上に与える効果と同様であり、個人の発達に与える音楽トレーニングの効果を社会は再考すべきであるとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Nature Reviews Neuroscience7月20日号
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