2010年07月12日(月)
[サイエンス]「高齢化=判断力の低下」が必然ではないことが明らかに!

一般的にアメリカでは、日本以上に、人間は歳を取れば取るほど頭のキレが鈍り、何事にも意思決定力が低下してしまうと考えられており、それが若さを誇示する社会的価値観につながっているようですが、そんなアメリカ人のステレオタイプな見方に一石を投じる研究が、ノースカロライナ州立大学のThomas Hess教授らによって、Psychology and Aging 6月号に発表されました。
教授らは17歳~28歳の青年と60歳~86歳の施設ではなく自宅で生活している高齢者を対象に、以下のような判断力と意思決定に関する実験を行ないました。ひとつの実験ではリストアップされた集合住宅の中から総合的な観点から、良いと思われるものを選択するという実験でしたが、総合的・直感的判断に依拠するこの実験では年齢による判断力の差はありませんでした。
もう一つの実験では集合住宅を比較し、判断するための一連の基準が記載されたリストが配布され、それを読んだ後に返却し、記憶を頼りにその基準に合致する集合住宅を選択する、というものでした。この実験は記憶力と、それに基づいた基準との照合などの具体的考察が必要とされるものでした。青年に比べ高齢者は平均すると良い結果が出ませんでしたが、高齢者は個人差が大きく高学歴の高齢者に限れば青年に変わらない大変に良い選択・判断力を示したそうです。
いくつかの実験から得られた結果から教授らは、高齢になっても高学歴者などは、判断力の低下は少なく、また一般的に高齢になっても、直感に基づく情報処理に依拠する意思決定・判断力は比較的保持されるとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Psychology and Aging 6月号
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