2010年06月08日(火)
[メンタル]怒った時に私たちの頭の中で何が起こっている?

こみ上げる怒りを抑えられず自分の体に変調をきたしてしまう……こんなふうに我々日本人には怒りを表に出さない習慣があり、それで自分自身の健康を害してしまうことを経験的に知っている人も多いと思いますが、そうした常識とは少し異なる結果が、スペイン・バレンシア大学のNeus Herrero博士らがHormones and Behavior 3月号に発表した研究で明らかになりました。
博士らは30人の男性被験者を対象に怒りを沸き上がらせる50の文を読ませて、その前後の心拍数、血圧、ストレスに関係するホルモンである血中のテストステロンとコルチゾールの値、そして脳の左右半球の活動状況(両耳分離聴検査)を調べました。その結果、血圧とテストステロンは増加、しかしコルチゾールは低下していました。怒りによって脳は左右非対称に刺激に反応し、右の聴覚が優位になり、ということは即ち左半球の前頭葉、側頭葉が活発に活動していることを示していました。博士らによれば左半球は幸福感や他者への親密感などの肯定的感情に関わっており、右半球は恐怖や孤独感など否定的感情に関わっているので、この結果から、怒っている時には怒りを引き起こした対象や相手に対してより親密になりたいという積極的で前向きな動機が働いて怒りの感情がわくのだということが導けるとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Hormones and Behavior3月号
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