2010年05月20日(木)
[メンタル]手を洗えば自己疑念も洗い流せる-「禊ぎ」の効果を心理学で解明

日本人は過去の行為を洗い清めるための「禊ぎ」を昔から行ってきましたが、米国・ミシガン大学のAnn Arbor校のNorbert Schwarz教授らがScience5月7日号に発表した研究によると、人は何かを選択する決定をした後に手を洗うと、自分の判断を正しかったものとして受け入れやすくなるのだそうです。
博士らによると、これまでの研究で、道徳的な判断のあとの手洗いが意味を持つことは知られていたそうです。しかし、道徳とは関係のない判断や決定と手洗いの効果は明らかではありませんでした。
教授らは大学生を被験者として30枚の音楽CDから気に入った順番で10番目(10枚)選択させる実験を行い、5位か6位のCDを参加の報酬として持ち帰っても良いと伝えました。引き続き被験者の学生は液体石鹸の商品テストを行うと伝えられ、1グループは容器を見るだけ、もう一方は液体石けんで手を洗わされました。その後再びCDの順位付けを行ったところ、手を洗ったグループの順位付けは前と変化がなかったのに、洗わなかったグループは前回選んだ5位、6位よりも同じCDを上位に評価しました。
この結果から教授は、手洗いがこれまでの研究が示しているように、不道徳的な選択の責めを洗い流すのと同様に、自己の価値判断の過程を洗い流してしまうので、自己の判断をさらに正当化して、自分が間違っていなかったかという疑念と不安を打ち消す必要が減るからだろうとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
Science5月7日号
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