2010年05月14日(金)
[メディカル]全ゲノム分析による病気リスクの臨床利用、個人レベルでも可能に!?

米国・スタンフォード大学・ハーバード大学の共同研究チームが、“Lancet”5月1日に発表した研究で、患者の全ゲノムを知ることに、臨床的な機能を持たせることが現実的になってきたことが示されました。
現在ヒトゲノム分析にかかる費用は急激に低下しています(昨年秋の段階で500万円程度)。今回の研究はこうした費用の低下により現実味を帯びてきた臨床での利用に関する可能性を明らかにすることを目的に行われたそうです。
研究では40代の男性を対象に彼の全ゲノムとデータベース化されているいくつかの病気に関するゲノム変異の比較、彼の病歴、家族歴、統計的なデータに基づく病気のリスクなども考慮されて分析されました。その結果、彼は変形性関節炎と血管障害、突然死の家族的な変異が明らかになり、また家族歴とは関係のない鉄分過剰や甲状腺の問題も明らかになったそうです。
また、ある種の心臓病の薬に対して特異反応をする可能性が見つかりました。
研究チームはこの結果から、個人のゲノム分析が臨床的に機能することが証明されたが、実際の利用のためには医師とゲノム分析の専門家、さらには倫理的問題の専門家や公的機関なども交えた統合チームが必要となるだろうとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
The Lancet, Volume 375, Issue 9725, Pages 1525 - 1535, 1 May 2010
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