2011年11月14日(月)
【ビューティー】痛い、疲れる…。足のトラブルは「足の加齢」が原因!?
【HBR2011年10月号 特集「カラダの礎と上手につき合う フットケアの知恵 」より】
毎日使用する重要アイテムにもかかわらず、自分にあったものを見つけるのが難しい靴。痛い、我慢している、流行やデザイン性は諦めているetc.......というHBR会員の意見も多く見られた。足と靴の悩みを解決して、もっとポジティブな靴選びをするために、クリニックに足と靴の専門外来を設けている銅冶英雄先生にお話を伺った。
[HBR会員アンケート]

足と靴に関する悩みがありますか はい 94% いいえ 6%
足や靴の悩みに対して、何か対策をしていますか?
している 57% していない 43%
どんな対策ですか?
1位マッサージやフットケア、リフレクソロジー
2位インソール(中敷)を入れる
3位筋トレをしている
靴を選ぶとき、何を重視していますか?
1位履き心地
2位デザイン
3位歩きやすさ
足と靴について、どんな悩みがありますか?
足が疲れやすい 17%合う靴がない 14%
幅広 11%
外反母趾 10%
タコ・ウオノメ 9%
扁平足 6%
靴ずれがひどい 6%
巻爪 6%
甲高 5%
内反小趾 3%
ハンマートゥ 2%
その他 11%
たかが「足の痛み」と侮るなかれ。
実は病名がつき、保険がきく可能性もある!!
HBR会員のアンケートの結果を見ると、足や靴に悩みのある人は94%にのぼる。しかし、一
方でその悩みに対して対策をしている人は57%にとどまる。さらに対策が効果をあげている人は、ごく少数のようだ。クリニックに足と靴の専門外来を設けて
いる、お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック院長の銅冶英雄先生は、「足に痛みがある時点で、それはなんらかの病的な症状で
あると思ったほうがよいでしょう。みなさん、他人のの状態はわからないので、自分の足の状態を基準に考えてしまいがちです。しかし〝みんなもきっとこんな
状態に違いない〞と痛みを我慢してしまう人も多いように感じます。特に長期的に足に痛みがある場合、また靴を履いていなくても、痛みを感じる場合は、適切
な処置が必要です。足に痛みがある場合、保険がきく場合がほとんどですが、整形外科の門を叩く方が、非常に少ないのが現状と思います。また、整形外科医の認識不足のため、適切な治療を受けられないケースもあるのが課題です」と言う。
あなたの足のトラブルは「足の加齢」が原因なのかも!
「例えば、扁平足というと、生まれつきや体質だと思っている方が多いのですが、加齢によって生じる場合もあります。特に40歳以上の女性に多いのが特徴です。原因は、体重の増加、筋肉組織の劣化、さらに靴による長年の負担などがあげられます」と銅冶先生。足のアーチにも加齢の影響があるなんて、正直驚きです!
「足の不調は、足の3つのアーチ(左図参照)が崩れることから始まる場合が多いのです。みなさん、足の筋肉には、あまり意識がいかないと思いますが、足のアー
チは骨だけでなく繊維状の靭帯や筋肉に支えられて、その形を保っています。足の筋肉や靭帯にも加齢の影響は少なからずあります。そしてその機能が落ちるこ
とによって足のアーチが崩れていくのです。扁平足は、足の内側と外側の縦アーチが崩れることで起こります。また横アーチが崩れ、足の趾と趾の間が広がると
開帳足、いわゆる幅広の足という状態になります。
外反母趾の場合は、開帳足が原因、という方が非常に多いですね。みなさん、かかとが高く、幅が
狭いハイヒールの形が、外反母趾の原因と思っているようです。しかし正しくは、足の横アーチが崩れて幅広の開張足になるために、靴で母趾が外側に押されて
変形するのが原因なのです。ですので、たとえハイヒールを履かなくとも、足を適切な状態にしていないために外反母趾になる方もいらっしゃいます。
また外反母趾の反対側、つまり小趾が内側に変形する内反小趾も、開張足が原因です。多くの足の悩みは、足のアーチの崩れによって起こるので、自分のアーチの状態をきちんと確認していただきたいですね」と銅冶先生は言う。
腰痛の原因には、足トラブルと合わない靴問題が潜んでいる!?
「足というのは、小さな接地面で身体全体を支えています。合わない靴を履いて足のトラブルが生じると、足
をかばう歩き方になり姿勢のバランスを崩す場合があります。そうすると、背骨に負担をかけて腰痛の原因になることもあるのです。腰は身体の要ですから、そ
の要に不具合があれば、身体全体の調子も崩しかねません。ですから靴選びというのは、非常に大切なことなのです。クリニックを受診するお年を召した方は、
一様に〝若いときにもっと気をつけていればよかった〞とおっしゃいますよ(苦笑)。
平均寿命も延びて、年を取っても寝たきりにならずに、自分の足で歩く、というのは誰もが理想とするところだと思います。そのためには、まず足の状態、靴選びにもっと関心を持っていただきたいと思います」と銅冶先生。
インソールを入れられる靴が理想的
「靴を選ぶ際、やはりその方のファッション感覚や美意識というのが、大きく影響します。ですので靴は、
この形がベストで、ヒールの高さは何㎝、ということを医師が決定するには、少々無理があると思います。痛みや不具合がある方は、適切な対処が必要ですが、
健康な足の場合、インソールが入れられるかどうか、というのがひとつの目安になるのでは、と考えています。
市販のインソールにも様々なものがあ
りますが、できれば部分的なインソールよりも、足裏全体を均等に支えるものがおすすめです。それで、その日に履く靴に、常にインソールを入れる習慣をつけ
ると、足のトラブルは少なくなると思います。インソールは、中足骨の部分に当たる形で、足の横アーチを作り開張足を矯正するものがおすすめです」と銅冶先
生はアドバイスしてくれた。
最近話題のシェイプアップシューズは、足の健康によいとは限らない
ここ最近、全身のシェイプアップ効果、脚やせ効果、姿勢矯正、筋力強化など、様々な付加価値をつけた靴が続々と発売されていますが、銅冶先生は、これらの靴についてどう思われますか? と尋ねると、
「各メーカーが様々な効果を宣伝しているようですが、あくまで、その靴を販売しているメーカーが宣伝しているだけであって、医学的効果に関しては、明らかなエビデンスがないものがほとんどです。例えば、某メーカーのシューズに、底が不安定になっており、その靴特有の歩き方が全身の筋肉に反応する、と謳っているものがあります。しかし靴底が不安定になっている靴は、思わぬところに負荷がかかり、逆にトラブルを引き起こす可能性もあります。足を支えるべきところをしっかりと支え、曲がるべき関節の動きを妨げない靴が人間本来のパフォーマンスを発揮させてシェイプアップにも繫がります。ただ、
そのような適切な靴は人それぞれですので、シェイプアップシューズが、すべての人の足の健康によいとは限りません。特殊な形の靴を履くときには十分に注意
して使用してほしいと思います」と銅冶先生はアドバイスしてくれた。
さてあなたは? 足の健康度をCHECK!
□タコ・ウオノメがある
□足裏の角質が
□分厚くなっている
□裸足で立って、横から土踏まずが見えない
□膝を伸ばして、手前に足首を反らした時、90度以上反ることができない
※ひとつでもチェックが入る人は、足に不調がある(もしくは予備軍)と考えられる。この5項目すべてにチェックが入らないのが健康な足である。
3つのアーチは健康な足のポイント
足のアーチは、外側縦アーチ、内側縦アーチ、そして横アーチの3つで形成されている。足のトラブルの多くは、アーチの崩れが原因になっている。
取材協力ドクタープロフィール
銅冶英雄(どうや・ひでお)先生
お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック 院長
医学博士。日本医科大学卒業後、千葉大学附属病院などで臨床研修。'01年に米国エクストラデプスユニバーシティに留学、米国公認足装具士取得。 '10年に足と靴の専門外来や、マッケンジー法、栄養療法を用いたリハビリテーション科などを併設したクリニックを開院。『自分で治せる!腰痛改善マニュ アル』など著書多数。
撮影/神戸健太郎(モデル)、イラスト/朝倉千夏、 取材・文/天野より子
引用:HBR会員誌2011年10月号 P33~P35
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