2011年07月15日(金)
【食】「時間栄養学」に沿った健康的な「食べ方」とは
【HBR会員誌2011年6月号「“食べ方”の新常識」より】
時間栄養学の研究が進むにつれて、朝食の有効性だけでなく、健康によい「正しい食べ方」も、次々に明らかになってきた。
一般には「朝、飲むとよい」とされる牛乳も、摂取する時間によるカルシウム吸収率の変化についての研究結果を知ると、実は夕方に飲むほうが効果的だとわかる。
「今は、骨粗鬆症も、困ったことにメタボ改善の誤った指導で、さらに増加しています。骨粗鬆症は寝たきりの原因の第2位。そこで朝、牛乳を飲んでカルシウムを摂ることを指導する管理栄養士が多いのですが、カルシウムが体内に蓄積するのは、夕方以降なのです。そのため、牛乳は夕方に飲むほうが効果的です。骨は、昼間に溶け出していますが、それを夕方にカルシウムを摂ることによって防げます。子どもにも『朝、一本の牛乳』より、『おやつや夕食時の牛乳』を習慣づけるとよいでしょう」(香川先生)
高血圧予防のために重要な塩分摂取の制限は、朝食・昼食できちんと管理すれば、夕食では多少緩めても大丈夫であることもわかってきた。
「ホルモンリズムが正常な健康体の成人の場合、血圧の昇圧作用を促すアルドステロンの高い朝と昼に塩分を控えれば、夕方は比較的塩分の制限を緩やかにしても大丈夫。これは、体内に取り込んだ塩分は夕食後の尿に含まれて体外に排出されやすいことがわかったためです。つまり少々塩辛いものを楽しみたいときは、朝・昼食ではなく、早めの夕食で摂るのが正解というわけです」(香川先生)
またスポーツ栄養学の分野では、試合前の最高のコンディション作りの食事として、肉や脂質を避け、高糖質食を摂ることが勧められている(カーボローディング)。
「さらに最近では、同じ高糖質食ならば、粉食(うどん、パン、パスタ)よりも、粒食(ごはん)のほうが、筋肉のパワー源としてより即効性に優れたスポーツ栄養食品であると考えられるようになってきています」(香川先生)時間栄養学の進化は、心身両面での健康的な生活、病気の克服、さらなる運動能力の向上などあらゆる分野に役立ってくれるのだ。
【取材協力者プロフィール】
女子栄養大学副学長・栄養学部教授
香川靖雄先生
東京大学医学部医学科卒業。聖路加国際病院、東大医学部助手、信州大学医学部教授、米国コーネル大学客員教授、自治医科大学教授などを経て現在に至る。自治医科大学名誉教授。専門は生化学、分子生物学、人体栄養学。女子栄養大学教授として教鞭を執る他、テレビや新聞・雑誌、講演等でも活躍。著書に『老化と生活習慣』(岩波書店)、『香川靖雄教授のやさしい栄養学』(女子栄養大学出版部)など多数。『時間栄養学〜時計遺伝子と食事のリズム』(女子栄養大学出版部)の編著、および監修も。
取材・文/若尾淳子
引用:HBR会員誌2011年6月号 p37
引用:HBR会員誌2011年6月号 p37
- 2012年05月22日(火)
- 【食】ダイエットサプリ& 健康補助食品の常識・非常識
- 2012年05月21日(月)
- 【食】流行の糖質オフダイエット、是か非か
- 2012年05月20日(日)
- 【食】ファーストフードとうつ病の関係
- 2012年05月19日(土)
- 【ライフスタイル】他者へのやさしさは遺伝による!
- 2012年05月18日(金)
- 【ライフスタイル】【特別インタビュー】聖路加国際病院 名誉院長・理事長 日野原重明先生
12食品群
健康12食品群リストとも呼ばれる。1990年アメリカの国立がん研究所の「デザイナーフーズ・プログラム」(植物性食品によるがん予防計画)に参加した、名古屋大学大学院の大澤俊彦教授が、日本人の食生活に適したものに作...
1型糖尿病
インスリンをつくる膵臓の機能が破壊されて、インスリンが分泌されずに糖が血中にあふれた状態になる糖尿病。20歳未満で発症することが多く、痩せ型の人に多い。発症すると血糖をコントロールするためのインスリンを補充する...
ウォーキングと脳の容積・認知能力に相関あり!
ウォーキングをしている高齢者は脳の灰白質が大きく、認知能力が衰えにくいことが、米国・ピッツバーグ大学のKirk Erickson博士らがNeurology 10月19日号に発表した研究で明らかになりました。博士...










