2011年06月03日(金)
【メディカル】出生時の母親の体型と胎盤のサイズで息子の将来の心臓病リスクが予測で きる!

英国・サウサンプトン大学および米国・オレゴン健康科学大学のDavid Barker教授らがEuropean Heart Journal 2011年6月1日オンライン版に発表した研究で、出生時の母親の身長・体重と胎盤のサイズで、生まれた男の赤ちゃんが成人して、後の心臓病リスクが予測できることが明らかになりました。
教授らは以前から赤ちゃんのポンデラル指数(ponderal index 出生時の体重(g×100)÷身長(cm)3乗)が低いと、その男の子が将来、成人してから心臓病(冠動脈疾患)になる傾向が高いことが知られていたことから、さらに詳しくリスク要因を分析することを目的として研究を進めました。
教授らはフィンランド・ヘルシンキで1934年から1944年に生まれた6975人の男性に関して、心臓病の履歴を含む現在までの健康状態や出生時のデータを分析しました。当時ヘルシンキでは、生まれた赤ちゃんのデータと共に出生時の胎盤の形態、妊婦の身長および出産直前の体重、出産歴、出産前最後の月経日なども記録していました。データを分析した結果、①初産の平均より身長が低い母親で胎盤が楕円の場合、横幅が狭くなるほど成人後息子の心臓病(冠動脈疾患)リスクが高くなっており、幅と長さの間の差1cm当たり14%リスクが増加していること、②母親の身長が平均より高く、BMI値がデータの平均値26以上で胎盤が小さい場合、胎盤の表面積が40平方cm小さくなると25%リスクが増加していること、③身長が平均より高くBMI値が26以下の痩せ型の母親場合、胎盤の重さ÷出生体重の百分率比が1%大きくなるごとに7%リスクが増加していることなどが判明しました。
そして以上の結果は、男性の現在と出生時の社会階層に無関係でした。教授はこの結果は、①に関して楕円の胎盤であることは妊娠初期に胎盤の定着が乱されたことを示しており、それが胎児の栄養不良に繋がった可能性があること、②に関しては胎児が早く大きくなりすぎた結果として、胎盤の成長が間に合わず、妊娠中期で栄養不良に陥った可能性があること、③に関しては母親が出産直前にも痩せていたということが、妊娠期間中の胎児が栄養不良だった可能性があること、などによる理由ではないかとしています。
医療ジャーナリスト 宇山恵子
European Heart Journal 2011年6月1日オンライン版
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